なんぼ

道新に連載中の「香山リカのふわっとライフ」は

医師でコメンテーターとしても活躍されている香山りかさんが

北海道の穂別に本州から移り住んで町の診療所に勤めながら

その土地のひとたちとの交流を中心に描くコラム。

先日そのコラムを読んでんんん??となったことがありました。

「なんぼかね」

この言葉を患者さんが使われて、その意味を香山さんが「いくらかね」

と推察。たとえば具合は良くなりましたか?の返しに患者さんが

なんぼかねと返す。その言葉が少し曖昧でほっこりするといった

内容なのですが、ここで私はんんん?となりました。

このコラムの見出し「なんぼかね」を見たとき

あー患者さんに医療費を聞かれてとまどったような話なのかなーと

思いましたので、中身を読んでえええっと。

私が生まれ育った日高は穂別のお隣の地方ですが、なんぼと聞くと

「いくら?」としか浮かびません。いくらなの?と値段を尋ねる時に

使っていた「なんぼ」

確かに香山さんは「なんぼ」を「いくら」と認識しています。

ここがややこしい。

生まれ育った地域では子供が覚えたての「なんぼ」を駄菓子屋さんやら

で「コレなんぼ?」と嬉々として連発して親にコラコラと言われる

少し下品な言葉。物心つくころには品を考えて

ほとんど言わなくなる言葉と認識していました。

たまに年配の方がニヤニヤしながら聞きづらい値段を

冗談ぽく聞く、ある意味言い換えていやらしさを軽くする便利な言葉として

「なんぼさ?」は使われています。

香山さんが理解しているなんぼ=いくらは

私の地方ではなんぼを使わず「だいぶ」と言っていた印象です。

私個人のまわりの感覚ですが、ただ学校でも地域社会でもほぼこんな調子で

認識していた言葉でしたので

香山さんの「なんぼ」とズレがありましたので、ここで考察してみました。

いやはや

日本語は抑揚でぜんぜん違う意味になったりして面白いものですね。

ただ同じようで全く違う言葉には笑ってしまいました。

スネークマンショー(あえて何かと説明しませんよ)

で英語をしゃべる外国人がすし屋に来て注文するも

英語が苦手な大将は困り果てて弟子に辞書を引かせながら

対応するという話があります。

ぎこちなくもなんとか対応していざ会計ということで

外人さんが「how much」

大将は辞書を頼らずに「ハマチ」と思い

外人さんが違うという意味をこめて「how much!」と語気を強めて

連発するも大将は「ハマチ好きな外人さんだねぇ」と

ハマチを握ってしまいます。

そこで見かねた弟子が辞書を引くと

「how muchというのはいくらということなので

大将、イクラを握ってください」と伝えてしまうオチ。

日本語の面白さを上手く使った

スネークマンショーの中でも好きなネタのひとつです。