オーデイオテクニカ AT-F7

LINN LP12で使用しているカートリッジ
オルトフォンMC☆20の針が曲がりました。。。
つい一週間前に針を交換して戻ってきたばかりなのに!

気を取り直して修理をする前に
もう少しタフで満足できる音質を提供してくれる
カートリッジはないものかと考えたとき、いの一番に頭に浮かんだのは
オーディオテクニカのカートリッジでした。

数年前になりますが、
台湾から超絶オーデイオマニアなお客さんがいらっしゃって、
もの凄いハイエンドオーディオの数々を、
写真を見せていただきながら楽しく語っていただきました。
そんな素晴らしい機器をお持ちの方が
日本土産としてテクニカのカートリッジを購入していったのを
思い出します。
その方はテクニカの音がいかに素晴らしいかを語り、
コストパフォーマンスの良さと音の良さの両面を
何度も絶賛していました。
そのとき私は手持ちのカートリッジで満足していたこともあり、
ふ〜んこんなに超高級オーディオに囲まれている方がなぜに??
。。といった感想でした。
ですが、
ひとたび何かカートリッジを探すことになった時、
用意されていた回答みたいに、テクニカが浮かびました。
あれだけ満面の笑みで称えられたカートリッジを
使わない手はありません。
私が選択した初テクニカのカートリッジは「AT-F7」
数あるラインナップの中で、中堅モデル的な存在を選びました。
売れ筋のようですので、テクニカらしさが一番発揮されているのではと
見込んでの決断。それと、値段がオルトフォン☆20MCの半分ということも
選択のひとつでした。


届いて早速手持ちのカートリッジシェルに取り付けて。。。と
勝手知った調子でトントンと進むはずでしたが、
テクニカのカートリッジのねじ穴形状が
横からスライドして入れられるタイプではなく、狭い場所でひたすら
ねじ回しするというもの。なんたるチーア!
当然私の無骨な指先では、ナットを廻すことができませんでした。
何度もトライする姿に、ちょうど来店していた「山椒」さんが
「やってみましょうか」と助け舟をだしてくれました。
さすが私と違って器用な細い手、ものの見事にナットをはめてくれました!
ありがとうございました。カウンターにいたお客さんたちも
思わず拍手です。

ウエイトバランスをとり、盤面に針を落とします。
最初出てきた音が歪んでいて、ドキリ。
ただ、それは選択したレコードの録音と盤質に問題がありました。
気を取り直して、レコードを交換。
選択したのはSADEのPROMISE。
CDでは聴き馴染んでいましたが、最近レコードでも聴きたくて
購入しました。
針を落とした瞬間からもうSADEの世界が広がります。
ややタイトながらバランスよく前にでてくる音群に圧倒されました。
お客様の前なので、「うん、まずまずいいですね」
なんてすました感想を言いいましたが、
閉店近く、誰もいない店内でSADEをあらためて。
「こりゃー素晴らしい。」音のバランスが非常に良くて
素直に快哉を叫びました。SA660とメトロゴンとの相性もいいんですね。
いろいろ試していますが、ほしい音が出ていて
ストレスにならないです。これは良いものがやってきました。
台湾の方にも脱帽。

SADEのこのアルバムの白眉はなんていっても
B面最後の「MAUREEN」です。
アーバンソウルな雰囲気の曲が多いSADEが爽やかなライトメロウな曲を
1曲だけ収録。しかもアルバム最後に。
ふわふわした浮遊は眺めのいい場所に連れていってくれます。