修学旅行以来の京都


10月28日と29日の2日間お休みさせていただき
京都に行ってきました。
修学旅行で行ったきりの京都。
ウン十年ぶりの都旅です。
あの頃たずねた神社仏閣には立ち寄らず、
老舗の喫茶店や町家と小路をクネクネしたり、
夜の京都のBARやちょいと飲み屋さんなどを巡る
いわば「大人の京都」を思い描いて旅してきました。
気分に任せてのほっつき歩きでしたが、
行く先々であたたかく迎えていただき、京都がとても身近に感じられ
ました。おもてなしのココロに素直に感謝。

神戸空港から列車で京都へ。
お昼前には京都タワーを望み、
駅中にあります人気の京料理のお店でお昼をとり
食後のデザートだーとばかりに、手作りドーナツが有名な
老舗喫茶「六曜社」に行きました。
地下に降り古びたドアを開けるとゆるーい時間がお待ちかね。
店主さんのゆったりした京言葉も手伝って、落ち着く以上に
落ち着いてしまいます。昔母親が見よう見真似で
ホットケーキの粉で作ってくれたようなドーナツをかみ締め
コーヒーを啜ると、昔から京都に住んでいたのではとさえ
思われました。落ち着きすぎて次にいけなくなる!
ハっと我に返り、店をあとにしました。

移動は主に地下鉄です。
札幌の地下鉄のように、慣れると大変わかりやすいのですが、
なんせ元来の方向音痴。不安になってひとつ前に降りてしまったり、
逆方向にあわてて飛び乗ってしまったり、、
「もうやだなぁ〜」と自分にひとりゴチてしましました。
それでも目的地にはたどり着けます。
ここのレコード屋さんは雨ふりのお客さんに教えていただきました。
立ち寄ったお店の多くはお客さん情報に基づいて。
おかげさまで楽しい旅になりました。ありがとうございます。
それにしても、京都に来てまでもレコードって、、
という声が聞こえそうですが。。

レコード屋さんを出て趣きある中京区寺町通を歩いていたら
おもむろに本能寺に出くわしました。
ちょうど信長時代の貴重品の展示会が催されていましたので
迷わず入館してみました。
焼け跡から発掘されたものや、信長ゆかりの茶器、家臣の鎧などが
展示され興味津々くいいるように眺めていましたら、
受付の年配の男性が近寄ってきて、丁寧に説明をしてくれました。
昔語りの琵琶法師のように朗々と語り掛けられ、
京都に着いたばかりで右も左もわからない不安な気持ちが和らぎました。



さらに歩きます。
あてずっぽうに歩いていたらたどり着きました「新京極」
かつて修学旅行で訪れたことがあります。
「木刀を買ってはいけません」と先生にきつく言われたにもかかわらず、
クラスに何人かが買って、早速没収されて..。懐かしく
しみじみ歩いて想い出にひたってみました。
修学旅行では木刀(こらこら)や服、はたまた寛永堂でお饅頭をつまむことが
この辺りの楽しみ方でしたが、
「大人な京都」では、昼過ぎから呑み助を楽しませている
立ち飲み屋さんにひっかかります。
ここ「たつみ」は、お姉さんがやわらかい言葉できりもりしています。
東京の立ち飲みとは違います。賑わっているのにギッチリ感なく
ゆっくり時間が流れます。お酒とじっくり対峙できる店でした。
次の日も訪れてしまいました。

京都の夜
老舗の佇まいの「赤垣屋」ではじめます。
予約をして引き戸をあけると威勢のいい男性店員さんが勢い良く
迎えてくれました。
しかも入るなり予約の・・とすぐ気がついてくれて案内してくれる
手際にもおどろきましたね。リズム感ある対応で
こちらもいっきに調子がでました。
流れる音もなくシンとした店内でしたが、いごこちと
舌ここちも良く、ささっと離れるのを常とする私ですが
一時間と少し、あれこれ美味しいものに目移りしながら
ゆっくりさせていただきました。


小路を覗きながらBARにたどり着きました。
雨ふりに似たものを感じる店です。と
お客さんにおすすめしていただいたbar「oill」は
照明器具やオーディオ装置もこだわりのオオバコ店。
カフェ時代を思い出しました。
タンノイの楽器用?スピーカーから流れる音もなかなか。
レコード一枚分ですが落ち着かせていただきました。

◇二日目


雲ひとつない空の下
二日目の朝は「スマート」珈琲で
フレンチトーストを食べてはじまりました。
ロゴに親近感を覚えるのはなぜ。。。
並びが出るほどの人気店でしたが、ちょうどひとつだけ小さいテーブル席が
空いていて、タイミングよく座れて気分も上々。
私が席に着いてすぐに並びだしていました。小細工なしの
まっとうなフレンチトーストはまたまた懐かしい母の味かな。。
老舗の味はどうも郷愁を誘います。


二日目の最大の目的地は「恵文社
一乗寺という街中から少し離れたところにありますので、
電車を乗り継いで行きました。
叡山電車はワンマン電車で住宅街や林のそばをのんびり走ります。
その姿は日高線に近いと思いながらガタゴトゆられ。
たどり着いて、ひなびていながら少し活気がある商店街を少し歩くと、
わりかし大きな建物を使っている「恵文社」が現れました。
期待高まる看板の下のちょっとわかりづらいドアを開けると
興奮度も最高潮に。
おしゃれと建築目線の本の選択を感じましたが、
見た事がない本も新古取り混ぜてありまして、
手に取るごとにじっくり読んでしまいます。
晦日の大掃除の時にでてきた新聞や本を眺めてしまう感覚。
読みふけるふける。
雑貨の選択も面白くひねりがありまして、欲しい衝動を抑えるのがやっと。

雨ふりオープン時のメニュー「ニース風サラダ」を作るときに
使っていた「エッグタイマー」その名の通り半熟からカタゆでまでが
わかるという優れもの。この「エッグタイマー」と
恵文社」で出会えるとは、驚きと喜びでへへんと笑ってしまいました。

富士の高嶺に降る雪も〜 京都先斗町に降る雪も〜 雪に変わりはないじゃなし
とけて流れりゃみな同じ♪
このさっぱりとした歌詞が子供の頃から好き。お座敷小唄に歌われている先斗町にやってきました。
二日目の夜は学生時代を京都で過ごしたという
古いお客さんであり友人と合流!案内してもらいました。
JAZZに精通する御仁の案内してくれる店は、店名にJAZZと入っている
一見強面なお店。
でも、学生時分に通いなれたる店ということでしょうか、
すんなりと私を含めて迎え入れてくれたのでホッとするところが
正直ありました。連れて行ってくれたお店が
どれもこれも見事にゴチャゴチャ。店の年輪のようでした。
私の知らない奥深ーい京都を案内してくれてありがとう。


歩くのが楽しい先斗町。北海道〜札幌にはあまりない小路
が続きます。しかも枝分かれしていたりするので、
気がおけません。歩かなきゃ覗かなきゃという気持ちになります。

祇園の名店bar「サンボワ」は私の希望で訪れました。
席に着きますと、ややしばらくして出されるサンドウィッチがいい。
表面を軽く焼いたたまごサンドはお酒にもよく合います。
雨ふりでもこのサンドウィッチが出せればと思いながら、
パクッ。

◇三日目

午後の飛行機に乗るまで、しばらく時間がありましたので
朝少し散策してみました。
喫茶ではじまった京都の旅、
〆はやはり喫茶店で。
京都芸術センターで金氏徹平展を覗いて
老舗喫茶店前田珈琲で朝の珈琲をいただきました。
大きめな珈琲カップを私の大きな手で包みながら
京都を振り返りました。
まだ紅葉前でしたが、天気に恵まれたことが何よりな京都旅。
方向音痴な私も時間が経つにつれて、方向感覚がマトモになり
気分はちょっとした京都通。
そんなに遠くなく
思った場所にたどり着けるのもよかった(錯覚か・・)
そして、あちこちお店や施設に行きましたが、店員さんがどこもかしこも
丁寧でやさしかったのも好印象でしたね。
同じところをまた訪ねてみたい。そこも魅力なのでしょう。
また来たいぞー来ますよー京都。

おまけ
京都芸術センターの近くの小路に佇むパン屋さんの
店先に留置かれたパンを配達する自転車が可愛らしい。