W123 300TDT


思えば私は何台の車を乗り継いできたんだろう。。
特に生産されて久しい、いわゆる旧車と呼ばれる部類の
車には、特別な思いがあります。
年式の古い車を所有するとなりますと、
自分の置かれている環境はもちろんのこと
部品のあるなしやら、整備してくれるところまで、
あらゆることを考えて、よし!となるので、そのあたりのことを含めて
思い入れも強くなるのです。
そんな酔狂な私の思い入れある車がW123 300TDTという
メルセデスが初めて手掛けたステーションワゴン
1985年まで生産されていましたので、
かれこれ32年前の車となりますかー。
ボディ50年エンジン100年と当時謳われた通り、とにかく
頑丈でタフな印象。オーバークオリティで再生部品など、
念頭になかった時代ならではの作りこみに嘆息していたことを
思い出します。いい車だったなぁ


メッキパーツが多様された、長く美しいフォルムは、
いつまでも眺めていたいと思わせるほど素敵でした。
荷室も広く、カヌーを積んであちこち出かけても
全然不満を感じることなく、使い勝手も最高な一台でした。
おかげで、一度手放してからも印象深く心に残り、
乗れる環境が整った時には、自然にまた購入という運びになりました。
写真は2代目。カフェ時代に店の前、そして店内からもパチリ。

雨ふりを開くにあたり、引っ越しにも大活躍してくれた
タフで頼りになるW123でしたが、お別れの日がやってきます。
小屋を建てて頻繁に通うようになるころ、道中楽しく楽々小屋に運んで
くれた相棒でしたが、四駆ではないので雪深くなる小屋への細い山道は
躊躇せざるを得ませんでした。。雪道を通れる四駆が頭にちらつくように
なった時、一人のお客さんが「ブログで見たんですけど、私も
W123のワゴンを探しています、なんかいいのありませんか」と
やってきました。古い車、思い入れのある車には
しっかりと出会いと別れがあると思うのです。
大事に思いを引き継いでくれる方が現れた時が手放す時と考えて
いましたので、即断でした。
私の思い以上に大切にガシガシ使ってくれ、
嬉々として楽しんでいる様子を聞くたびに
あー良かったよかったと思いに浸ることができました。
私の手元から離れて幾年月、先日そのお客さんが
来て、東京に転勤になりましたので、心寂しいのですが
手放すことになりましたと、わざわざ報告に来てくれました。
その言葉と今までのかかわりを知っているだけに
やっぱりこの方にお渡しできてよかったと、素直に嬉しいなぁという
言葉がでてきました。いい車と良き人。雨ふりが紡いだ
良縁のひとつでした。